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① サウジアラビア、PIF傘下でAI企業「Humain」設立
サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は公的投資基金（PIF）傘下にAI企業「Humain」を正式に設立しました。HumainはデータセンターやクラウドAI基盤の構築、多言語対応の大規模言語モデル（LLM）の開発を担い、同国のVision 2030に基づく経済多角化を支援します。発表はトランプ大統領の訪問を前に行われ、投資フォーラムにはElon MuskやSam Altmanらも参加し、9400億ドル規模の資金力を背景に同地域をAIハブ化する狙いです。
② Google、新基金「AI Futures Fund」発足でスタートアップ支援
GoogleはDeepMindの最新AIツールを活用するスタートアップ向けに「AI Futures Fund」を立ち上げ、成長段階の企業へ投資を行うと発表しました。このファンドは育成支援だけでなく、技術・市場戦略の助言も提供し、ジェネレーティブAI分野でのイノベーションを加速させる狙いです。対象分野は自然言語処理や画像生成、強化学習など多岐にわたり、選定企業には資本注入とともにGoogleの技術リソースが提供されます。
https://techcrunch.com/2025/05/12/google-launches-new-initiative-to-back-startups-building-ai/
③ 米大統領訪問に合わせ、主要企業CEOがサウジ投資会議に参加
ドナルド・トランプ大統領のサウジアラビア訪問に際し、Amazonのアンディ・ジャシー氏やNvidiaのジェンセン・ファン氏、Teslaのイーロン・マスク氏ら米国のトップCEOが参加する「米サウジ投資フォーラム」が開催されました。フォーラムではAIや防衛、製造などの分野で約1兆ドル規模の投資案件が議題となり、AWSやGoogle、IBMなども新規投資を表明。米サイドのAI外交強化と民間投資の拡大が狙いです。
④ NOYB、MetaにEUデータ使用停止の仮処分を申請へ
EUのプライバシー擁護団体NOYB（None of Your Business）は、Metaが5月27日から欧州ユーザーの個人データをAI訓練に利用する計画に対し、仮処分申請を行うと発表しました。NOYBは「EUプライバシー規則に反する」と主張し、数十億ユーロ規模の損害賠償請求の可能性を示唆。Meta側は「正当な利益に基づく使用」と反論し、ユーザーにはオプトアウト手段が提供されるとしています。
⑤ リーガルAIスタートアップHarvey AI、50億ドル評価で資金調達交渉
法律分野向けAIを手がけるHarvey AIは、5月に実施予定の資金調達ラウンドで2億5000万ドル超を調達し、企業評価額を50億ドルに引き上げる交渉を行っています。既存投資家Sequoia Capitalに加え、Kleiner PerkinsやCoatueらが参加予定。HarveyのARR（年換算売上高）は4月時点で7500万ドルに達し、PwCなどコンサル大手との提携が成長を後押ししています。
⑥ Nvidia支援のCoreWeave、AIインフラに最大230億ドル投資計画
Nvidiaが筆頭株主のクラウドサービス企業CoreWeaveは、2025年にAIインフラとデータセンター拡充のため最大230億ドルを投じる計画を発表しました。第1四半期決算は予想超えの収益を記録したものの、巨額投資が懸念され株価は一時5％下落。CEOは「インフラ投資が将来の利益に直結する」と述べています。
⑦ AI企業Cohere、年率収益を1億ドルに倍増
カナダ発のAI企業Cohereは、2025年5月までに年率収益（ARR）を前四半期比でほぼ倍増し、1億ドルに達したと報告しました。これまでドメイン特化型モデル提供に注力し、金融・医療・政府向けのプライベート導入が売上の約85％を占めています。2025年1月にはエンタープライズ向けチャットツール「North」を発表し、RBCやLGなどで試験運用中です。
⑧ Cisco、AI需要で通期見通しを上方修正＋新CFO就任
ネットワーク機器大手Cisco Systemsは、AI関連製品の販売好調を受け、2025年通期の売上高見通しを従来の（約560億ドル台）から565～567億ドルに引き上げるとともに、長年社内で戦略を担ってきたパターソン氏を新CFOに社内幹部から抜擢すると発表しました。
https://www.reuters.com/business/cisco-raises-full-year-results-forecast-shares-rise-2025-05-14/
⑨ AI動画生成スタートアップHedra、3,200万ドル調達
ビジネス向けにリアルな動画生成AIを提供するスタートアップHedraは、Andreessen Horowitzのインフラファンド主導で3,200万ドルの資金調達を完了したと発表しました。調達資金は製品開発とマーケティング強化に充当予定で、マーケ担当者向けのAI動画ツール市場でシェア拡大を狙います。
⑩ AIでイルカと会話？人獣コミュニケーション競争加熱
科学誌Natureによると、AIを用いてイルカなど他種との対話を実現しようとする研究競争が激化しています。音声認識や生成モデルを組み合わせ、イルカのクリック音やソナー信号を解析・生成することで「翻訳」しようという試みです。成功すれば異種コミュニケーションや生態研究に革新をもたらす可能性がありますが、倫理的課題や実用化のハードルも指摘されています。
https://www.nature.com/articles/d41586-025-01517-x
編集者コメント
７番目の記事で取り上げているカナダのAI企業、Cohereについて触れます。
この企業の創業者達も、OpenAIやAnthropicなどと同様にGoogle出身です。
2011年にGoogle内に立ち上げられた人工知能（AI）と深層学習（ディープラーニング）の研究チームであるGoogle Brain（現在はDeepMindと統合）に在籍していた、研究者Aidan Gomez氏、Nick Frosst氏、Ivan Zhang氏の3人によって2019年に設立されました。
https://thebridge.jp/2023/06/openai-rival-cohere-raises-a-fresh-270-million-to-bring-generative-ai-to-the-enterprise
Cohereの最大の強みは、企業ごとのニーズやデータに合わせて専用の言語モデルを構築できる「カスタムモデル提供」です。
一般向けの汎用モデルではなく、金融機関の契約書要約や製造業の技術レポート作成など、業界・用途ごとに最適化されたAIを使える点が評価されていて、また、企業データを外部に流さず、自社環境（クラウド／オンプレミス）で運用できるため、セキュリティ要件が厳しい用途にも対応可能。
この“企業特化のカスタムモデル”が、Cohereの最大の強みとされているようです。
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