海外AIニュースまとめ(4/28〜5/4)

atmaLab編集者
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May 5, 2025
海外AIニュースまとめ(4/28〜5/4)
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① OpenAI、ChatGPTにショッピング機能を搭載し検索市場に挑戦

米OpenAI社は対話型AI「ChatGPT」で製品検索から購入までできるショッピング機能を発表しました。ユーザーが「おすすめのコーヒーメーカーは?」と質問すれば、ChatGPTが商品候補と購入ボタンを表示し、クリックすると販売サイトに遷移します。OpenAIはこの機能でChatGPTを製品リサーチに活用してもらい、検索広告で優位に立つGoogleに挑む狙いです。

https://www.wired.com/story/openai-adds-shopping-to-chatgpt/

② 著名な哲学書、実はAIが執筆した「実験作」だった

昨年出版され評価を得ていた哲学書が、実はAIによる創作だったことが明らかになりました。イタリアの哲学者アンドレア・コラメディチ氏が中国人名義の著者で刊行した『イプノクラシー:トランプ、マスクと新たな現実構造』は、4月に伊誌の調査で著者が架空人物だと判明しました。コラメディチ氏自身がAIで生成した原稿を編集しており、「デジタル時代の真実とは何か」を問いかける哲学的なパフォーマンス(実験)だったと説明しています。

https://www.wired.com/story/an-acclaimed-book-about-digital-manipulation-was-actually-written-by-ai/

③ 米FTC、AI文章判定ソフトの「98%精度」は根拠なしと指摘

米国連邦取引委員会(FTC)は、AIが書いた文章を見破るソフトを提供する新興企業Workadoに対し、「98%の精度」という広告表示が根拠を欠くとして差し止め命令案を出しました。FTCがテストしたところ、このAI判定ツールの正確さは一般的な文章では約53%と“コイン投げ”程度で、利用者を誤解させ健全な競争も阻害すると批判しています。FTCは今後、実証データのない誇大なAI性能の宣伝を禁じる姿勢を鮮明にしています。

https://www.courthousenews.com/ftc-calls-ai-detection-companys-claim-of-98-accuracy-bogus/

④ Meta、AIアシスタント専用アプリを公開

米Meta社(旧Facebook)は自社の対話型AIアシスタント「Meta AI」を単独のスマホアプリとしてリリースしました。これまでは同社のSNS(WhatsAppやInstagram等)内で提供していた機能を独立させた形で、ユーザーが提供したプロフィール情報や投稿履歴を活用し、個人に合わせた回答を返せるのが特徴です。最新の大規模言語モデル「Llama 4」を搭載し、ChatGPTやGoogle Bardといった競合AIに対抗する狙いで、より多くの利用者の取り込みを目指しています。

https://www.reuters.com/business/facebook-parent-meta-platforms-launches-standalone-ai-assistant-app-2025-04-29/

⑤ ウィキペディア、AI活用方針を発表 人間の編集者を支援

インターネット百科事典ウィキペディアの運営団体が、新たなAI活用戦略を公表しました。今後3年間で記事執筆の裏方作業にAIを導入しようというもので、翻訳や誤字検出など「人間には煩雑な作業」を自動化し、ボランティア編集者の負担を減らすことが目的です。ただしAIはあくまで補助役で、人間による内容チェックや合意形成がこれまで以上に重要だと強調しています。ウィキペディア側は「AIで人間を置き換えない」という原則を掲げており、公開方針でもプライバシーや透明性を重視しつつオープンソースのAI技術を活用するとしています。

https://techcrunch.com/2025/04/30/wikipedia-says-it-will-use-ai-but-not-to-replace-human-volunteers/

⑥ マイクロソフト、社内コードの3割はAI生成 Metaも半分を予測

米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、自社で開発するソフトウェアのコードのうち「20〜30%はAIが書いたものだ」と明かしました。プログラミング補助AI「GitHub Copilot」などの社内普及で生産性が向上しているとみられます。一方、米Metaのマーク・ザッカーバーグCEOも、来年までに自社のAIモデル開発作業の約半分をAIが担うようになるとの見通しを示しました。大手IT企業でソフト開発への生成AI活用が急速に広がっており、人間とAIの共同作業が当たり前になりつつあります。

https://www.geekwire.com/2025/microsoft-and-meta-see-surge-in-ai-generated-code-across-their-software-teams/

⑦ 中国アリババ、次世代AIモデル「Qwen3」を公開

中国IT大手の阿里巴巴(アリババ)集団は、新たなAIモデル群「Qwen3(クエン3)」を発表しました。従来の大規模言語モデルに高度な動的推論機能を組み合わせた「ハイブリッド推論型」が特徴で、数学計算やプログラミングなど複雑なタスクでも高い性能を発揮するといいます。今年に入り、中国では新興のDeepSeek社や百度(バイドゥ)社も先進的な生成AIモデルを相次ぎ投入しており、アリババも競争激化する国内AIレースで主導権確保を狙っています。

https://www.reuters.com/business/media-telecom/alibaba-unveils-advanced-qwen-3-ai-chinese-tech-rivalry-intensifies-2025-04-29/

⑧ Google検索の対話型AI「AIモード」、一般ユーザーに開放

米グーグルは検索エンジンに統合した生成AI「AIモード」の提供範囲を拡大しました。これまで一部利用者のみだった試験機能を、米国の18歳以上なら誰でも「Google Labs」から有効化できるようにし、さらに少数のユーザーには検索ページ上部にAIモード用のタブを表示する実験も始めています。また、AIに質問した履歴を保存して途中から再開できる機能や
、飲食店の混雑状況・レビュー評価や商品の価格・在庫などをAIの回答画面にカード表示する新機能も追加されました。より便利になったAIモードで、ChatGPTなど他社の生成AIサービスに対抗する構えです。

https://techcrunch.com/2025/05/01/googles-ai-mode-gets-expanded-access-and-additional-functionality/

⑨ Apple、Anthropicと提携か Xcode向けAIコーディング支援ツールを開発

米Apple社が、対話型AI「Claude」を開発するスタートアップのAnthropic社と協力し、自社エンジニア向けのAIコーディング支援ツールを開発していると報じられました。Appleの統合開発環境Xcode上で動作するコード自動生成アシスタントで、コードの提案やテストをAIが行うことで開発効率を高める狙いです。消費者向けには静観していたAppleも、水面下で生成AI技術の活用を進めていることが伺えます。公式発表はまだありませんが、この動きはAI分野での競争力強化につながると期待されています。

https://www.theverge.com/news/660533/apple-anthropic-ai-coding-tool-xcode

⑩ Google、13歳未満の子どもにもAIチャットボットを提供へ

米グーグルは保護者向けメールで、13歳未満の子どもでも対話型AI「Gemini(ジェミニ)」を利用できるようにすると案内しました。保護者管理サービス「ファミリーリンク」内の子ども用アカウントでアクセスを許可し、宿題を手伝ったり物語を読み聞かせたりする機能を提供します。子どものデータはAIの学習に使わない措置を取りつつ、「AIは間違えることがある」「相手は人間ではない」といったポイントを親子で話し合うよう促しています。安全面に配慮しながら、これまで年齢制限のあった生成AIを子どもにも開放する取り組みとして注目されています。

https://www.theverge.com/news/660678/google-gemini-ai-children-under-13-family-link-chatbot-access

編集者コメント

ChatGPTのショッピング機能は楽しみですね。詳しくは下の動画を見ていただけると。

たとえば服とかであれば自分のサイズを記憶しておいてくれて、このサイズだとこういう見た目になる(画像で表示)・・・とかそのうちできるようになるんでしょうね。それはほんと欲しいです。

そしてGoogleとしてはこの動きを想定してたんでしょうけど、これからどう巻き返していくのか注目です。

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