① OpenAI、欧州初のAIデータセンター計画を発表
OpenAIがヨーロッパで初となるAIデータセンター設立計画「Stargate Norway」を発表しました。英AI企業Nscaleとノルウェーのエネルギー企業Akerと提携し、北部ナールヴィク近郊に大規模施設を建設します。2026年末までにNVIDIA社製GPU(AI計算用半導体)10万基を設置し、処理能力を将来的に10倍に拡張可能です。施設は水力発電で稼働し、欧州で高まるAI需要に応えるとともに、各国によるデータ主権の懸念にも対応します。
② 米IT大手、AIインフラに過去最大の巨額投資
米IT大手各社がAIに前例のない巨額投資を進めています。Microsoftは来年度に1000億ドル(約13兆円)超の設備投資を計画し、Google親会社Alphabetも2025年の資本支出見通しを当初より100億ドル増やして850億ドルに引き上げました。Amazonも年間約1180億ドルを投じる見込みで、Metaも年660〜720億ドルへ上方修正するなど、各社ともクラウド計算資源や半導体などAI基盤への投資を大幅拡大しています。これら巨額投資によって、AIが次世代の成長エンジンと見なされている実態が浮き彫りになっています。
③ 中国、「AI+」国家戦略を始動
中国政府はAI技術を全産業に浸透させる国家戦略「AI+(エーアイプラス)」を打ち出しました。7月31日の国務院(内閣)常務会議で李強首相が「AI+イニシアチブ」実施の方針を承認し、製造業など主要産業でのAI活用を加速させ、大規模な商用応用を促進するとしています。これは2010年代にIT普及を図った「インターネット+」政策にならった取り組みで、政府主導でAI導入を推進し経済競争力を高める狙いがあります。国家レベルの後押しにより、これまでにないAI活用の機会が各分野で生まれると期待されています。
https://global.chinadaily.com.cn/a/202507/31/WS688b92ffa310c26fd717cd6b.html
④ OpenAIの収益、月10億ドル規模に倍増
ChatGPT開発元のOpenAIの収益が急増しています。同社の年率ベースの収益が約120億ドル規模に達し、年初から7か月でほぼ倍増したと報じられました。これは月間約10億ドル(約1400億円)を売り上げている計算で、ChatGPTの週次アクティブ利用者数は約7億人に上るとされています。生成AIサービスへの旺盛な需要を裏付ける数字であり、OpenAIはソフトバンクなどから追加資金調達を進めつつ、巨額のインフラ投資によってサービス拡充を図っています。
⑤ ChatGPTに「スタディモード」機能が追加
OpenAIはChatGPTに新機能「スタディモード(Study Mode)」を導入しました。このモードでは質問への答えをすぐ教えず、代わりにAIがヒントや追加の問いかけを提示して利用者の理解を深める学習支援を行います。ソクラテス式の対話法を取り入れ、クイズ形式や段階的フィードバックによって学生が自ら考えて答えに辿り着けるよう設計されています。学校でのChatGPT利用拡大に対し「答えを丸写しするだけ」との懸念がありましたが、この機能は思考力育成に資するAI活用を目指したものです。
https://techcrunch.com/2025/07/29/openai-launches-study-mode-in-chatgpt/
⑥ 中国Zhipu社、3550億パラメータAIモデルを公開
中国のAIスタートアップ企業Zhipu(智谱)社が、3550億パラメータに及ぶ超大規模AIモデル「GLM-4.5」をオープンソースで公開しました。このモデルは高度な推論やコード生成、自律的なエージェント型タスクの遂行に優れており、商用利用も可能なライセンスで提供されます。OpenAIの独自モデル(GPTシリーズ)に対抗しうる公開モデルの登場により、スタートアップや研究機関でも先端的なAIを活用しやすくなり、世界的な競争が促進されると期待されています。
⑦ EUのAI法が一部施行、大規模モデルに新ルール
欧州連合の包括的なAI規制「AI法(AI Act)」の一部条項が8月1日付で施行されました。これにより、大規模汎用AIモデル(ChatGPTのような多用途型AI)を提供する企業は、訓練データの要旨公開や著作権遵守、リスク評価報告など透明性・安全性に関する義務を順次負うことになります。違反した場合、最大3500万ユーロ(約53億円)または世界売上高の7%という厳しい罰金が科される可能性も明示されました。世界初の広範なAI法であるEUのAI Actは、AI開発企業に説明責任を課すことで安全で信頼できるAIの普及を図ることを目的としており、各社は法順守の対応を迫られています。
⑧ OpenAIのGPT-5、公開前から話題沸騰
OpenAIのサム・アルトマンCEOがX(旧Twitter)上で、新モデル「GPT-5」の存在を示唆する投稿を行い、AI業界で話題となりました。アルトマン氏はAIを題材にしたアニメ作品『Pantheon』を称賛する投稿への返信として、GPT-5と思われるChatGPTが同作品を推薦する対話のスクリーンショットを公開しています。このチャットボットの回答は作品の評価や内容を的確に要約しており、新型モデルの性能をうかがわせるものです。正式リリース前にもかかわらずユーザーや競合他社の関心は高まっており、GPT-5はより強力でマルチモーダル(画像や音声も処理可能)な能力や自律エージェント的なタスク実行を備えると期待されています。Altman氏の示唆によりOpenAIへの期待とプレッシャーが一段と高まっています。
⑨ Anthropic、OpenAIのAPI利用を停止-競合間で緊張
ChatGPTの競合であるAI企業Anthropic(Anthropic社、AIアシスタント「Claude」を提供)は、OpenAIによる自社モデルのAPI利用を停止しました。Anthropicは、OpenAIの社員が自社のAIコーディング機能「Claude Code」を利用していたことが利用規約違反に当たると主張しています。契約上、Anthropicのサービスを競合モデルの開発目的に使うことは禁止されており、GPT-5開発に向けたデータ取得の一環と見なされたようです。この措置は急成長する生成AI業界における競争の激化を示すもので、互いのリソース利用を制限する動きが表面化しています。
https://www.wired.com/story/anthropic-revokes-openais-access-to-claude/
⑩ 声優業界、AI吹き替えの台頭に危機感
映画やアニメの吹き替えを担う声優たちが、AI音声合成技術の進展に危機感を強めています。ヨーロッパの声優業界団体は、生成AIによる声の合成で仕事が奪われる懸念からEUに対し規制強化を要望しています。一部スタジオではAIを使った試験的な吹き替えも行われていますが、品質面で課題も残り、AI企業側は「人間の声優の演技が依然重要」としており、技術は効率化に資する補助だと強調しています。急成長するストリーミング需要に伴い吹き替え市場は拡大傾向にありますが、声優たちは「声の演技は芸術であり、人間のニュアンスを守る必要がある」と訴えており、著作権や報酬のルール整備を求める声が高まっています。
編集者まとめ
9番目の記事「OpenAIの人がうちのAPI利用するのダメよ」by Anthropicという記事について。
マーケティングが上手いですね。「OpenAIの中の人も使うくらいうちの方がイケてる」って言ってるようなもので、競合検証で使われるというのは暗黙の了解なのにも関わらず、あえて話題にする。というのがイケてます。実際、使ってるエンジニアもいるんでしょうけど笑
ということでダシに使われたOpenAIなんですが、、、、
8番目の記事「GPT-5」。
これ、エンジニア界隈では相当盛り上がってるようです。というのも、どのAIがすごいか?をリアルタイムで検証してランキングしてるサイトがあって、最近になって謎のAIモデルが上位を席巻し始めたらしいんですよね。そしていつの間にか消えたと。アプリを作る系の指示を出したところ、圧倒的なクオリティだった、ということらしく、OpenAIのサムアルトマンのGPT-5のアナウンスもあいまって、「あれはきっとGPT-5だ」なんて話題になったみたいです。
もし本当にGPT−5だったんだとしたら、前述のAnthropicのさらに上をいくマーケティングの上手さ、、、いやぁ面白いですね^^