① OpenAI、初の自社製AIチップ開発に向けBroadcomと提携
ChatGPT開発元の米OpenAIは、半導体大手Broadcomと戦略提携し、独自設計のAIアクセラレータを共同開発すると発表しました。2026年後半から順次、計10ギガワット相当のカスタムAIチップをデータセンターに展開する計画です。これはOpenAIが近年進めてきた大規模な計算インフラ確保の一環で、先週発表したAMDからの追加6ギガワット分のGPU調達や、9月に報じられたNVIDIAからの最大1000億ドルの投資とあわせ、AI需要急増に対応する狙いがあります。サム・アルトマンCEOは「最先端AI開発の知見をハードウェアに直接活かし、次世代の能力を引き出す」と述べています。
https://techcrunch.com/2025/10/14/openai-and-broadcom-partner-on-ai-hardware/
② Salesforce、サンフランシスコに150億ドル投資しAIエコシステム強化
クラウド大手の米Salesforceは、今後5年間で本社のあるサンフランシスコに150億ドル(約2兆2千億円)を投資すると発表しました。生成AI分野での都市の優位性を高める狙いで、社内キャンパスにAIインキュベータ拠点を開設し、AIスタートアップ支援や人材育成を進めます。マーク・ベニオフCEOは「この投資は故郷への深いコミットメントの表明であり、新時代に向けAIイノベーションや雇用創出、地域社会の繁栄を推進するものだ」と述べました。ちょうど10月14日から自社イベント「Dreamforce 2025」が開催され、世界中から約5万人が訪れる見込みで、市経済への波及効果も期待されています。
③ ChatGPT、自動メモリ管理機能を導入
対話型AI「ChatGPT」に自動メモリ管理の新機能が追加されました。ユーザーとの過去の会話内容をAIが自動で取捨選択し、重要な情報を優先的に保持、古い情報はバックグラウンド化することで、保存メモリ容量の逼迫(ひっぱく)や「メモリ満杯」エラーを防ぎます。Plus/Proの有料プラン利用者は、AIが優先したメモリを設定画面で確認し、自分で重要度を再調整することも可能です。OpenAIは「これによりメモリ管理がシームレスかつ信頼性の高いものとなり、ユーザーの削除手間を減らせる」と説明しています。
https://help.openai.com/en/articles/6825453-chatgpt-release-notes
④ イーロン・マスク、SNS「X」の推薦アルゴリズムをAI化へ
米実業家イーロン・マスク氏は、自身が率いるSNS「X(旧Twitter)」のコンテンツ推薦アルゴリズムを全面的にAI(人工知能)へ移行すると発表しました。今後4~6週間で既存の手動ルール(ヒューリスティクス)をすべて廃止し、社内開発のAIモデル「Grok(グロック)」が投稿を分析・学習して各ユーザーに最適な投稿を表示するシステムに切り替えます。Grokは1日1億件以上の投稿や動画を処理し、ユーザーの興味やトレンドをリアルタイムに把握してフィードを調整するとのことです。マスク氏は「新規ユーザーやフォロワーの少ないアカウントでも良質な投稿が埋もれないようにする」と述べ、ユーザーが「○○の投稿を増やして」等と自然言語でフィードを調整できる機能も導入予定と明かしました。この大胆なAI活用は、ソーシャルメディア体験の向上と小規模クリエイターの露出拡大を目指すものとして注目されています。
⑤ Anthropic、「Claude」に業務特化の新機能「Skills」追加
米Anthropicは対話型AI「Claude」に、新機能“Skills”(スキルズ)を導入すると発表しました。これは特定の作業に特化した指示やスクリプト、リソースをまとめたパッケージで、Claudeが必要に応じて読み込み活用できる機能です。例えば「Excel作業の自動化」や「社内ブランド規則に沿った文章作成」といったスキルをあらかじめ用意し、ユーザー企業は自社の業務ニーズに合わせたスキルを作成・共有することも可能です。OpenAIも類似のツール(関数呼び出しやコードインタープリタ等)を展開しており、各社がAIアシスタントを実用的な業務エージェントへと進化させる動きが加速しています。
https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/800868/anthropic-claude-skills-ai-agents
⑥ 欧州メディア、GoogleのAI要約機能に反発し調査要求
イタリア新聞出版社連盟(FIEG)が、Google検索のAI概要(AIオーバービュー)機能に対する調査を同国当局に申し立てました。検索結果ページ上部にAIが回答を要約表示するこの機能は「ユーザーが元記事を閲覧しなくなる“トラフィックキラー”だ」と主張し、自社サイトへのアクセス減少や広告収入への悪影響を訴えています。この動きは欧州新聞出版社協会を通じ他国とも連携しており、欧州委員会にもデジタルサービス法(DSA)違反の可能性で調査開始を働きかけています。生成AIによる検索要約は利便性向上の一方、ニュースメディアの持続性や多様性への影響が議論となっています。
⑦ KAYAK、旅行プラン相談用の「AIモード」搭載を発表
旅行検索サイトの米KAYAKは、チャットボットで旅行計画を支援する新機能「AIモード」を公開しました。同社ウェブサイト上で利用でき、ユーザーがフリーワードで「年末にパーティーするならどこが良い?」などと質問すると、予算内で行ける都市の提案や日程に応じた航空券・ホテルの比較検索を対話形式で行います。この機能はOpenAIのChatGPT技術と連携しており、今年4月に実験公開した試験サイト「Kayak.ai」での知見を本サービスに統合したものです。旅行者のアイデア出しやプラン検討をスムーズにし、チャットでの予約までシームレスに行える点が特徴です。今後は対応言語や音声入力にも拡大予定とされています。
⑧ NVIDIA、米国TSMC工場で次世代GPU「ブラックウェル」試作ウエハー公開
米NVIDIAは、次世代GPUアーキテクチャ「ブラックウェル (Blackwell)」の初期生産品となる半導体ウエハーを公開しました。このウエハーは台湾TSMC社が米アリゾナ州に新設した工場で製造されたもので、米国内で先端AIチップの製造が行われた初めての事例です。NVIDIAは「米国のサプライチェーン強化とAI技術スタックの国内定着を後押しする成果」と位置づけており、AI需要拡大に伴う半導体供給網の地産地消の動きとして注目されています。また米トランプ政権もハイテク製造の国内回帰を推進しており、今回の成功はその政策とも合致するものです。ブラックウェル世代のGPUはH100(ホッパー)の次の主力となる見込みで、AI分野での性能向上が期待されています。
⑨ TikTok米国売却案で「アルゴリズム提供」に懸念、安全保障委が指摘
米国議会下院の対中問題委員長ジョン・ムーレナー議員は、中国ByteDance社が動画SNS「TikTok」米国事業を売却する計画に関し、アルゴリズムのライセンス提供が含まれるとの報道について「深刻な懸念がある」と表明しました。新たな米TikTok運営会社が旧TikTokの推薦アルゴリズムを引き続き使用する形では、中国側がそのアルゴリズムに影響力を持ち続ける可能性があるためです。ムーレナー氏は「アルゴリズム自体を新しくしない限り問題は残る」と指摘し、米政府による売却合意の詳細説明を求める考えを示しました。今年制定の対策法では、2025年1月までに中国側がTikTok米事業を売却しない場合サービス停止となるため、アルゴリズムの扱いが安全保障上の焦点となっています。
⑩ 米警察で進むAI活用、報告書作成を自動化
米ミネソタ州イーガン警察など一部の警察署では、生成AIを使って日常の出動報告書や事件記録を自動生成する試みが進んでいます。数十人規模の警官が今年6月からAIシステムを導入しており、口述メモや現場情報をAIがレポート文書にまとめることで、警官はより多くの時間をパトロールや地域対応に充てられるようになったといいます。一方で「機械任せは行き過ぎではないか」との声もあり、文章の正確性やバイアス、安全性のチェック体制が課題となっています。警察業務へのAI導入は書類業務負担の軽減策として注目されつつも、慎重な運用が求められています。
https://www.cbsnews.com/minnesota/news/eagan-police-department-ai-reports/?intcid=CNR-02-0623
編集者まとめ
ChatGPTのメモリ機能については、前からメモリ機能あった気がするので何を今更・・・と思ったんですが、ちゃんとしたメモリ機能のリリースは今回が初めてのようです。
メモリ機能があったように私が思ってしまうのは、ChatGPTが他のスレッドを効率よく参照していたのか、一部ユーザーにはメモリ機能が解放されていたみたいなので、私がその対象だったのかもしれません。
しかし今週は面白いニュースがなかったですね〜
大谷くんとか自民・維新のニュースの方が面白くてそっちに夢中です。
あとは今日のAWSの大規模障害でしょうか・・・
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