MCP × A2A 超入門|AI エージェント連携でムダ仕事がなくなる未来

atmaLab編集者
atmaLab編集者
July 4, 2025
MCP × A2A 超入門|AI エージェント連携でムダ仕事がなくなる未来
Image created with AI and Canva

1. そもそも AI エージェントとは?

  • 従来のチャットボット … 質問に答えたら終わり。1回だけのやりとりをするいわば電卓
  • AI エージェント … 必要な手順を自分で選択しながらツールを動かし、仕事を完了させる。家事をこなす ロボット のような存在。

エージェントの例:見積ボットが原価を調べ、利益を計算し、PDF を生成/在庫ボットが在庫を調べ、仕入れシステムへ発注。

例のようにAIが各種ツールを動かすには「ツールの呼び出し方・データの渡し方・返り値の形」を決めた 配線図 が必要です。この配線図を誰でも使えるように同じ書式にしたのが MCP と A2A です。

2. なぜ今 MCP・A2A が注目されるのか

2‑1. ツール乱立で“橋渡し作業”が増えすぎた

営業、在庫、請求……。ツールをまたぐたびに CSV を出したり、手でコピペしたり。便利なツールが増えて作業自体は楽になりましたが、ツール同士を橋渡しするための「見えない作業」が膨らんでいます。

2‑2. “共通マニュアル”の誕生

  • MCP … AI がツールを呼ぶときの共通コンセント。
  • A2A … AI 同士がバトンを渡す共通ベルト。

取扱説明書(スキーマ)を 1 枚書くだけで、新ツールも新 AI もすぐ仲間入り。連携コストは おおむね 1/10 まで下がると報告されています(Anthropic 調べ)。

2‑3. 大手IT企業による採用

2‑4. 従来型自動化ツールとの違い(ざっくり比較)

3. MCP = ツールを束ねる「共通コンセント」

3-1. 家電にたとえると(ロボット掃除機+空気清浄機+エアコン篇)

  • 道具(家電)
    • ロボット掃除機 … 床のゴミを吸い取る
    • 空気清浄機 … 空気中のホコリを除去
    • エアコン … 温度と空気循環を調整
  • 取扱説明書(Action Schema)
    • それぞれの家電に「どの信号を送れば動くか」「終わったらどう知らせるか」を 1 枚のメモにしておく。
    • 例:POST /robot/v1/clean {"area":"living"}"status":"done" を返す … など。
  • 電源タップ(MCP サーバー)
    • 3 枚のメモをまとめて置いておくハブ。AI はここ経由で家電を安全に操作する
    動作の流れ
  1. 掃除機が掃除完了を検知し、MCP サーバーへ「done」を返却。
  2. 受け取った 空気清浄機 が 10 分だけ強運転。
  3. ホコリが落ち着いたら エアコン が省エネモードに切り替え、室温を整える。

ポイント

  • 取説メモは最初に 1 回書くだけ。以降は AI が自動で読み取り、3 台を連携させる。
  • 新しい空気清浄機に買い替えたら メモを 1 枚差し替えるだけ。ソフト改修は不要。
  • これが会社の業務ツールなら
    • 掃除機 → 請求書発行
    • 空気清浄機 → 督促メール送信
    • エアコン → 会計ソフト記帳
      と置き換えられる――つまり 「社内システムを家電感覚でつなげる」のが MCP なのです。

3‑2. 導入 4 ステップ(最短 1 週間)

4. A2A = AI がバトンを渡す「工場のベルトコンベア」

  • ベルトに箱(データ)を流し、工程ごとに専門機械(AI)が処理。
  • 途中で故障があれば代替機が自動で肩代わり。
  • 工程の順番を変えたり工程を増やしたりするのも設定だけで OK。

製造:需要予測 → 発注 → 納期計算

営業:リード評価 → 見積 → 契約書作成

CS:問い合わせ分類 → 回答案作成 → 担当割当…など。

AIが順番に動いていくイメージ。

5. MCP × A2A を両方そろえると?

  • 縦配線(AI → ツール) が MCP。
  • 横配線(AI ↔ AI) が A2A。

この 2 つで「社内システム ↔ AI ↔ AI ↔ システム」が自動で回る ミニ工場 が完成します。

6. 企業が得る 5 大メリット

  1. 配線設定が 1/10 … 新ツール追加は取説 1 枚。
  2. 24 時間自動処理 … 夜間に請求書発行&督促メールまで。
  3. ノウハウが見える化 … 取説そのものが社内マニュアル。
  4. ロックイン回避 … ツールも AI も後で自由に入れ替え。
  5. 段階導入 … まず MCP → 効果確認 → A2A 拡張。

7. 導入ロードマップ

8. 導入事例で効果を確認

  • Windows AI Foundry … Windows 11 内蔵 MCP で設定変更や検索を AI が代行 → 手作業 90% 減。
  • Google A2A Codelab … 見積→在庫→決済 AI を A2A で接続 → コード 50 行で完成。
  • ある会計 SaaS 企業 … 複数会計ツールを MCP で統合 → 経理工数 70% 減。

9. よくある質問(Q&A)

Q. IT 担当がいなくても導入できる?
GUI で取説を書ける MCP SaaS(Make/n8n など)があるので外注なしでも可能です。

Q. 社内データを外に出さずに使える?
オンプレ版 MCP サーバーがあり、社内 LAN 内だけでも動きます。

Q. コストは?
プロトコル自体は無料。必要なのはサーバー費(または SaaS 月額)と取説作成の工数のみ。

10. 未来像 —— "AI 指揮者" がいる職場

  • 業務アプリ = 楽器
  • AI = 演奏者
  • 人 = 指揮者

早く導入した会社ほど取説(Action Schema)を蓄積し、AI オーケストラを指揮できるようになります。

11. まとめ

  • MCP … ツール接続を統一する共通コンセント。
  • A2A … AI 同士をつなぐベルトコンベア。
  • 導入順 … まず MCP で小さく始め、A2A で横展開。

この 2 つの規格が残業とコピペを丸ごと消します。次のステップは、あなたの会社で 最初の Action Schema を書く ことです。

──
本メディアでは、AIに関するニュースや生成AIの活用方法・企業におけるAIの活用事例について紹介しています。メディアを運営するatmaLabでは、企業のAI / DX 導入相談やAI / WEB システム開発を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
\ 無料で相談・お見積もり /
お問い合わせはこちら
この記事をシェアする
atmaLab編集者
atmaLab編集者
atmaLab記事の編集者してます