AIの歴史(前編): AIの誕生と初期の理論

atmaLab編集者
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August 12, 2024
AIの歴史(前編): AIの誕生と初期の理論
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これから3回にわたって、人工知能(AI)がどのようにして誕生し、進化してきたのか、その歴史をわかりやすく紹介していきます。

AI(人工知能)の歴史は、20世紀前半に遡ります。この前編では、AIの基礎となる考え方や重要な出来事について詳しく見ていきます。AIの誕生は、コンピュータの歴史と深く関わっています。AIがどのようにして生まれ、どのように発展してきたのかを理解することは、現代の技術を理解する上で非常に重要です。

1. 人工知能の始まり

AIという考え方は、19世紀にその萌芽が見られました。イギリスの科学者、チャールズ・バベッジが設計した「解析機関」は、世界初のプログラム可能な計算機として知られています。この機械は、複雑な計算を自動で行うことができ、これが後のコンピュータの元になりました。当時の技術ではこの機械は完成しませんでしたが、バベッジのアイデアは後のコンピュータ技術に大きな影響を与えました。

また、エイダ・ラブレスという女性も、バベッジの解析機関のためにアルゴリズムを書いたことで有名です。彼女の仕事は、プログラムを書くという概念を初めて示したもので、これが現代のコンピュータプログラムの始まりとされています。ラブレスのアイデアは、コンピュータが単なる計算機ではなく、さまざまな用途に使える可能性を示唆したものであり、これがAIの概念に繋がっています。

2. チューリングの計算可能性とチューリングマシン

AIの発展において、アラン・チューリングという人物の役割は非常に重要です。1936年、チューリングは「計算可能な数と決定問題の応用」という論文を発表し、「チューリングマシン」という概念を提案しました。これは、コンピュータがどのようにして計算を行うかを理論的に示したものです。チューリングマシンは、コンピュータの基本的な動作原理を説明するもので、現代のコンピュータの基礎となっています。

チューリングは、コンピュータが人間の指示に従って計算を行うだけでなく、理論的にはどんな計算でもできることを示しました。これにより、コンピュータが「考える」ことができる可能性が示されたのです。この理論は、AIの可能性を大きく広げるものでした。

チューリングについて詳しく知りたい人は、この映画を見ると良いでしょう。
※ 再生すると音が出ますのでご注意を

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コンピュータ分野のノーベル賞といわれる「チューリング賞」はもちろんこの人の名前からきてます。一方で、映画にも詳しく描かれていますが、チューリングはイギリスの極秘機密事項に関わっていたこともあり、また有罪判決を受けた人でもあるため、彼が脚光を浴びるのは亡くなってからずいぶんたった後でした。
そして2019年にイギリスの新しい50ポンド紙幣の肖像に採用されました。

3. チューリングテストと知能の定義

1950年、アラン・チューリングは「コンピュータは知能を持つことができるか」という問いに対する一つの答えとして、「チューリングテスト」を提案しました。このテストは、コンピュータが人間と区別がつかないほど自然に会話できるかを評価するもので、AIが知能を持っているかどうかを判断する基準として広く使われています。チューリングは、もしコンピュータが人間と同じように会話できるなら、それは知能を持っていると言えるのではないかと考えました。

チューリングテストは、AIの発展において非常に重要な概念であり、現在でもAIがどれだけ「賢く」なったかを測る基準として使われています。このテストは、AIの進化を評価する上で重要なツールとなっています。

4. マカロックとピッツの人工ニューロン

1943年、ウォーレン・マカロックとウォルター・ピッツという科学者が「人工ニューロン」という概念を提案しました。彼らは、人間の脳の働きをシンプルな数学のモデルにしました。このモデルは、ニューロン(神経細胞)の働きを簡単に表現したもので、後に「ニューラルネットワーク」と呼ばれるAI技術の基礎となりました。

人工ニューロンのアイデアは、脳の働きを模倣することで、コンピュータがもっと人間のように「考える」ことができるのではないかという考え方に基づいています。この考え方は、後のAI研究に大きな影響を与え、AIがより高度な問題を解決できるようになる道を開きました。

5. ダートマス会議とAIの誕生

1956年、アメリカで行われたダートマス会議は、AIの歴史において非常に重要な出来事です。この会議には、AI研究の先駆者たちが集まり、「人工知能(AI)」という言葉が初めて公式に使われました。この会議がきっかけで、AIは一つの学問分野として正式に誕生し、研究が本格的に始まりました。

ダートマス会議では、AIがどのようにして発展していくべきかが話し合われ、これが今後のAI研究の方向性を決定づけるものとなりました。この会議での議論は、AIの発展における重要なターニングポイントであり、現在のAI技術の基礎を築くものとなりました。

まとめ(前編)

前編では、AIの誕生から初期の理論について紹介しました。チャールズ・バベッジの解析機関から始まり、アラン・チューリングの理論、そしてダートマス会議でのAIの誕生といった重要な出来事が、AIの発展に大きな影響を与えました。これらの理論や出来事は、現代のAI技術の基礎を築くものであり、これからのAIの発展にも大きな影響を与え続けるでしょう。

(Written with ChatGPT)

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