「Google Vids」とは?GoogleWorkspaceで使える動画生成AIの特徴・動画生成方法

大森 敏彦
大森 敏彦
August 22, 2025
「Google Vids」とは?GoogleWorkspaceで使える動画生成AIの特徴・動画生成方法
Image created with AI and Canva

Google Vidsとは?

Google Vidsは、Googleが2024年に発表した動画生成AIツールです。Google Workspace(後述するビジネス向けのグループウェア:Gmail、Google ドキュメント、Google スプレッドシートなどを使える統合パッケージ)のアカウントがあれば、動画編集の知識がなくても、テンプレート選択とテキスト入力のみで、プレゼンテーションやプロモーション動画を簡単に作成できます。

日本でも使用することができますが、Googleの生成AI「Gemini」を活用したプロンプト入力による動画生成は英語版のみに対応しています。今後の日本語対応が期待されており、Google Workspace上での活用範囲はさらに広がる見通しです。

Google Vidsでできること

プロンプト入力だけで動画を生成

文章(プロンプト)を入力するだけで、AIが動画の構成、シーン展開、ナレーション、BGMを自動生成します。

※2025年4月現在、この機能は英語版でのみ利用可能ですが、アカウントの言語設定を英語にすれば日本のユーザーでも体験可能です。

構成の自動生成

入力したプロンプトに基づき、動画のシーン構成やアウトラインを自動で提案してくれます。編集経験がない方でも直感的に操作できます。

動画素材の自動挿入

Google Vidsは、プロンプトや構成に合った映像・画像素材を自動的に選定・挿入してくれます。イラストや写真も自動で用意されます。

Google Workspaceとの連携

Google ドライブに自動保存されるほか、Google ドキュメントやスライド内の素材を動画内に活用することも可能。すでに所持しているファイルとの連携もスムーズです。

共同編集機能

Google ドキュメントのように複数人で同時に動画を編集・確認できるため、チームでの作業にも適しています。

Google Vidsの使用が向いているシーン

Google Workspaceにある素材やファイルを活用できるため、以下のようなシーンで特に活躍が想定されます。

社内向けの説明用動画の作成

新入社員や部署の異動者向けに、会社の制度や部門の業務フローを分かりやすく解説した動画を作成できます。マニュアル代わりにも便利です。

営業資料の動画化

提案書やプレゼン資料を動画化することで、顧客に対して視覚的・感覚的にわかりやすい説明が可能になります。

イベント告知やプロダクト紹介

製品やキャンペーンの概要を動画で紹介し、社外向けの発信や社内説明用として幅広く活用できます。

SNS用の簡易プロモーション動画

テンプレートを活用すれば、短尺のSNS向け動画も簡単に作成できます。

学校・教育機関での教材作成 など

授業用の説明動画やeラーニング教材を、教師や職員が簡単に自作できるツールとして活用できます。

Google Vidsのプラン

Google Vidsを利用するには、Google Workspaceへの加入が必要です。

主な対象プラン

・Google Workspace または Google Workspace for Education

・Gemini for Google Workspace ライセンス

個人・小規模利用であれば、月額800円(税込)のプランから利用可能です(2025年4月時点)。

参考:GoogleWorkspaceのプラン

Google Vidsの使い方

アカウント作成

利用にはGoogle Workspaceへの参加が必要です。

・個人利用の場合:新たにWorkspaceを作成

・企業・教育機関ですでに導入されている場合:Googleアカウントでログインするだけで使用可能

ログインする

未加入の場合:画面右上の「仕事でGoogle Vidsを使ってみる」から、Workspaceに加入します。すでにWorkspaceに加入済みの場合:Google アカウントへログインすればすぐにGoogle Vidsを開けます。

Google Vidsで実際に動画を生成する

テンプレートから作成する方法と、プロンプトから生成する方法の2種類があります。Google Vidにログインするとポップアップで表示されるメニューで「テンプレートを使って開始」を選ぶとテンプレート選択画面に遷移します。

テンプレートから作成する

まずテンプレートを選択します。テンプレートにはいくつかの「シーン」が用意されています。「すべてのシーンを導入する」を選ぶとテンプレート内にあるすべてのシーンが適用されます。「選択したシーンを挿入」を選ぶと、アクティブになっているシーンのみが適用されます。

今回は「選択したシーンを挿入」を選びました。

スライドの編集画面になり、テキストや動画を挿入できます。

右側にテンプレートに含まれる「シーン」があるので、追加や削除、並び替えが可能です。削除は右クリックでできます。

画面の下に表示されるバーの部分が再生時間ごとの動画のカットです。

テンプレート内の動画作成セクション(上記のキャプチャで人の写真が掲載されている箇所にある動画のマーク)をクリックすると、以下のような操作が可能です。

・動画のアップロード

・Google ドライブ / Googl eフォトからのアップロード

・ストックフォトやPC内の画像の挿入

・あらかじめ用意されたGIFや音楽素材の挿入

挿入できる動画の長さは、最大で35分です。

また、動画マークの横の二重丸の録画ボタンをクリックすると、端末のカメラ機能を使ってその場で動画の撮影も可能です。

これらを組み合わせて、簡単な自己紹介動画を作成してみました。

その場で撮影したPCでの映像と、スマホからGoogle ドライブにアップロードした映像を挿入しています。AIで本格的な映像素材を生成するというよりも、プレゼンテーション用のスライドに動画やアニメーションをつける、といった用途において便利な印象です。

プロンプトから作成する

2025年4月現在、英語版のみプロンプトから動画作成可能です。日本のアカウントでも、言語設定を英語に切り替えることで使用可能になります。

Googleのプロフィールアイコンをクリック > 個人情報 > 言語を英語に変更します。

設定後、「Start a new video」をクリックし、「Plan your video story」を選択すると、プロンプトから動画生成の画面を開けます。

「Start a new video」から新規動画作成

最初に表示されるポップアップから「Plan your video story」を選択し、画面下のバーにプロンプトを入力しましょう。

プロンプトは日本語で作成し、別のAIツールを使って英訳します。今回は、「寿司職人がマグロの握りを準備する」という内容で作成します。

アウトライン(見出しや構成)が提案されますので編集していきます。ここで、ペンマークをクリックし各シーンの詳細を英語のプロンプトで追加指定したり、不要なシーンの削除ができます。たとえば「Slicing tha tuna into thin strips(マグロを細切りにする)」を「Skillful cuts for optimal texture and presentation(最適な食感と見た目を実現する巧みなカット)」にするなどです。

デフォルトのままだと長い動画になってしまうので、ここで必要な動画のカットを指定するのがよいでしょう。

Nextを押すと、生成が開始されます。

思ったより本格的な動画が生成できました。

実写の動画部分で使用できる内容

以下の3つが使用可能です。

①Googleが提供するロイヤリティフリーのストック素材ライブラリ

②Veo 2によるAI生成映像

③ユーザー自身がアップロードしたコンテンツ

今回生成した動画は、おそらく①が使用されており、動画素材自体をAIで生成したわけではなさそうです。

Veo 2によるAI生成映像は作成できるのか?

ストック素材ライブラリにないようなテーマの動画のプロンプトを入力してみます。

「ラーメン屋の格好をした人がサッカーをしている様子」を英訳して入力した映像がこちらです。

「ラーメン屋の格好をした人がサッカーをしている様子」の動画ではなく、こちらもストック素材ライブラリにある動画が利用されているようです。Google Vidsの公式にはVeo 2による生成が可能とのことなので、異なるプロンプトやシチュエーション、そして今後のアップデートにより、生成が可能になる可能性があります。

Google Vidsと他の動画生成AIとの違い

このように、Google Vidsはゼロから本格的な動画を生成するよりも、スライドショーのようなフォーマットで映像素材を組み合わせた動画を作成する、という用途に向いているようです。

他の動画生成AI、たとえばSora AIは汎用性のある生成力が特徴ですが、Google Vidsは「Google Workspaceとの統合」や「業務効率の高さ」が特徴といえます。

まとめ:今後のアップデートに期待

GoogleのAI群「Gemini」シリーズと連携し、Google Workspaceのツールとして登場した「Google Vids」。今後、業務の中で「ドキュメントを書く」「スライドを作る」に加えて、「動画で伝える」が当たり前になる未来が考えられます。GoogleWorkspace内でのシームレスな利用が可能になったり、映像素材の生成自体も進んでいくと予想されるため、試しに使ってみてはいかがでしょうか。

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大森 敏彦
大森 敏彦
2016年からWebマーケティング業務に従事し、プログラミング教育事業やBtoBマーケティング、旅行業界などに携わる。自作のGPTsではスプレッドシートの業務効率化を日々行なっている。好きな生成AIはGemini。
峯林 晃治
監修:
峯林 晃治
Webディレクター、SEOコンサルタントを経て、2013年に事業会社に入社。主にBtoB領域のデジタルマーケティングに携わる。2020年に独立。ファストマーケティング株式会社を立上げ、BtoB企業向けのコンテンツマーケティングの支援サービスを提供。
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