Perplexity AIとは
ChatGPT、Claude、Geminiといったチャットボット型の生成AIとは異なり、Perplexity AIはGoogle検索のように情報収集ができる対話型のAI検索エンジンです。ChatGPTのDeep Research機能が登場する以前から存在し、検索結果の要約に特化したAIとして活用されています。
ChatGPTのDeep Research機能に似ており、出典付きで回答を提示してくれる点が特徴です。また、Google検索の「他の人はこちらも検索」機能のように、関連する検索をレコメンドしてくれるため、情報を深堀りしたいときに便利です。
実際に、Perplexity AIで「東京の桜の開花の時期」について検索したキャプチャをご紹介します。
例)東京の桜の開花の時期について質問



このように、複数のサイトの情報を参照しながら要約してくれ、関連する検索も案内してくれます。登録不要で誰でもすぐに利用できるのも魅力です。
Perplexityでできること
最新情報を調べる
Perplexityは、リアルタイムでWeb上の情報を検索し、AIが検索結果を要約してくれます。たとえば「iPhoneの最新モデルの噂」や「2025年5月現在の為替相場」などを検索すると、複数のニュースソースから要約が引用リンク付きで表示されます。
論文・技術記事の要約
「学術モード」という機能を使用すれば、専門的な内容の英論文や技術記事も、わかりやすく要約してくれます。たとえば、AI分野の論文のURLを貼り付けると、数秒で要約してくれます。
英語の意味を調べる・翻訳
Perplexityは辞書的な使い方もあります。分かりにくい英語表現を日本語で丁寧に説明してくれるほか、英文記事のURLを貼って「日本語で要約して」と聞くと、比較的自然な日本語で返してくれます。ただし、何度か試してみたのですが翻訳のニュアンスは、ChatGPT、Claude、Geminiなどの代表的な生成AIと比較するとやや劣る印象(若干、不自然な日本語)があります。
コピーライティング・文章作成・校正
「この文章をもっとキャッチーにしたい」「見出しを5パターン提案して」など、コピーライティングや文章校正に活用できます。1回の依頼に対して、レコメンド機能で修正の方向性を複数提示してくれるので、他の生成AIよりもブラッシュアップしやすいです。
特定分野に絞った検索機能
通常の検索に加えて、Perplexityには「ウェブ」「学術」「ソーシャル」といった専門モードが用意されています。たとえば「学術」モードでは、論文など信頼性の高い情報ソースに絞って検索できます。「ソーシャル」では、ソーシャル上でリアルタイムに話題になっていることをリサーチできます。
有料版:画像生成機能
画像生成機能はProプラン限定です。3つの他の画像生成AIをPerplexity上で利用可能です。使えるモデルは、「Playground v3」「DALL-E 3」「 FLUX.1」です。特に「DALL-E 3」はOpenAIの最新画像モデルなので一定の精度の高さが期待できます。
ただし、Perplexity上での画像生成の利便性は現段階ではやや低いです。一度リサーチのためにチャットでやり取りをした後、画像生成を行う専用のパネルが出現する仕様で、最初から「画像生成を行う」のようなボタンはありません。(2025年4月現在では、画像生成モデルを選択はできるものの、標準で画像生成できるUI上の表示がありません。)
たとえば、下記のように一度、Perplexity上で検索を行ったうえで右上の「Generate Image」を選択することでイラストや写真を生成できます。

Perplexityの特徴
メリット・デメリット
情報収集に特化している
Perplexityは調査や検索に特化していて、その使いやすさはGoogle検索や他の生成AIに勝るとも劣りません。無料版でも出典リンクを明記して要約してくれるAIは少ないです。シンプルな操作性やサジェスト機能、素早いリサーチ結果の出力により、Google検索の代替としても十分に快適に利用できます。
様々なデバイスやアプリで利用できる
Perplexityはスマホアプリでも使用可能です。また、2025年以降にGoogle Chrome拡張機能の登場が予定されています。より両者がシームレスになり、生成AIを立ち上げて使うというよりも、Google検索をするような感覚で使用できるようになるでしょう。
創作系のタスクには不向き
ChatGPTなどの他の生成AIはチャット型で、会話を繰り返していく中で画像などのクリエイティブなアウトプットを作成していきます。Perplexityもチャット型であるものの、長い文章の生成やストーリーの生成などはどちらかというと苦手です。
ただし、有料版では他の生成AIの高度なモデルを使用可能なため、クリエイティブなタスクも行えます。
こんな人におすすめ
「検索がめんどうくさい」「いろんなサイトを回って読む時間がない」という人にとって、Perplexityは精度の高い答えを生成してくれるAIとして非常に頼れる存在です。
学生・研究者
論文や資料の要点をすばやく把握したい人に向いています。知らない分野を新しく勉強するときに勘所を掴む、論文の概要だけをスピーディーに知りたいといったときに向いています。
ライター・ブロガー
記事の構成案やタイトル案のリサーチに使えます。どの記事を参考にしたのかソースを明記してくれるので、ファクトチェックなどの業務効率アップにつながります。
ビジネスパーソン
業界動向、競合調査、トレンド分析など、定量的な情報を短時間で把握したい時に向いています。他の生成AIだと画像生成など様々なアクションをAI上で行いやすいメリットがありますが、とにかくすばやく高精度の情報を得たい時には、Perplexityが向いています。
調べ物が苦手な一般ユーザー
Google検索よりも「直感的」で、調べ物に苦手意識がある人でも扱いやすいです。自分が知りたい情報にたどり着くための検索キーワード入力が苦手な方でも、文章で質問すれば、「こういう内容をお探しではないですか?」とAIが提案してくれます。
Perplexityのプラン
無料版
Perplexityの独自モデルを使った検索です。一部の機能制限があり、速度も有料版に比べるとやや遅いですが、ChatGPTのDeep Researchと同じような機能を無料で使えます。課金しなくても十分に高い利便性があります。
有料版
月額20ドル(約3,000円)です。「GPT-4o」「Claude3.7so-net」「Gemini2.0」などの、他の生成AIの有料モデルを使用可能です。長文にも対応でき、PDFファイルなどをアップロードして分析が可能になります。
有料版の場合、チャットに応じて自動的に適切なAIのモデルを選択してくれる他、自分でどのAIを使用するか指定することも可能です。
日本語対応について
2025年4月現在、日本語モードがあります。UIの表記もほとんど日本語に対応しています。質問を日本語で入力すると、ほぼ自然な日本語で返答してくれますが、他の生成AIよりは少し不自然です。
また、以前は主に英語の情報ソースが使用されていましたが、2025年4月現在では日本のサイトも参照されるようになっています。内容によっては、英語のページを参照するケースもまだ多く見られます。
ソフトバンクユーザーなら無料で有料版を使用可能
2024年6月にソフトバンクとの提携が発表されました。2025年1月からテレビCMも放映しています。「ソフトバンク」「ワイモバイル」「LINEMO」のユーザーは1年間無料で有料版が使用可能です。2025年6月18日までの申し込みで適用されます。
キャンペーンの詳細ページ
https://www.softbank.jp/mobile/service/perplexity-ai/
Perplexityの使い方
Perplexityの使い方をキャプチャ付きで紹介していきます。
「新しいスレッド」

実際に文章を入れて検索をする機能です。他の生成AIでの会話の開始が、Perplexityでは検索を開始することと同義です。翻訳やコピーライティングといったタスクもこのスレッド上でそのまま行えます。
「発見」機能

ニュースアプリ・ニュースサイトのような機能です。最新のトピックやニュースが提示され、そこから情報収集できます。日本語版でも英語圏のニュースが多く提示されます。
「スペース」機能

ChatGPTにおける、GPTsと似た機能です。ある作業に特化した作業スペースを作成して、他の人と共有可能です。ドキュメントをアップロードして要約したり、文章の修正などができます。クリエイティブな作業を継続して行いたいときに、他の生成AIと同様に活用できます。
「ライブラリ」機能

過去のチャットが保存されています。
Perplexityを実際に使ってみる
実際にPerplexityを使っていきましょう。
ニュース検索
質問:トランプ関税について簡単に教えて下さい。

ポイントを抑えた要約をしてくれます。参照元のサイト付きで早いスピードで結果を出力してくれるので、非常に実用的です。
学術的な検索
チャット欄の右下のボタンを押すと、学術特化の検索を選択できます。

質問:幼少期の運動経験と老後の身体機能の相関はありますか?

論文要約は、通常のニュースリサーチより時間がかかりました。結果の正当性についてはご自身で吟味する必要があります。
論文検索のみに特化させるのであれば、ConsensusというAIもおすすめです。
論文検索・要約ができるAI「Consensus」の使い方を紹介
コピーライティング
質問:訪日旅行客にタクシー配車アプリをダウンロードしてもらうため広告のキャッチコピーを5つ以上考えてください。ビジネスクラスの飛行機の座席のパンフレットを想定しています。

コピーライティングも可能です。なぜその案が提案されたのか、その根拠となるソースも併せて提示されます。
翻訳
文章:京都の春の桜についての文章。

表現は魅力的ですが、忠実な翻訳というよりも、意訳が多めの内容になっています。有料版のため、他の生成AIのモデルから最適なものを自動で選定して使用しているためだと思われます。
GAS(Google Apps Script)のコード生成
文章:GASでURLをスクレイピングするコードを書いてほしいです。実際には A1-A10に文字列があり、対応するB列に、Yahoo! JAPANでの検索結果の1位のURLを出力してほしいです。

GASのコードの出力も可能です。実際にスプレッドシートで使用可能なものを出力してくれました。

(Pro版のみ)画像検索
文章:(トランプ大統領の画像をアップロードして)この写真に写っている人物は誰ですか?

画像をアップロードして調査も可能でした。トランプ大統領の顔は認識できないものの、赤いネクタイで演説姿という情報を読み取り、推測していました。
まとめ:Perplexityは検索特化で実用的
Perplexity AIは、調べ物に特化した次世代の検索AIです。Googleでは時間がかかっていた調査も、PerplexityならAIが一瞬で要点を整理し、出典付きで提示してくれます。無料でも使え、難しいプロンプトも不要なので、初めてAIを触る人にもおすすめです。
有料版では他の生成AIも利用でき、実用的なタスクへの対応も可能です。もしソフトバンク回線を利用している場合は、1年間無料でPro版を使えるこの機会に、ぜひ活用してみてください。