Suno AIとは?
Suno AIは、テキスト(プロンプト)を入力するだけで、楽曲を生成できる音楽生成AIです。ブラウザ上で動作するため、高性能な動画編集用PCや専用の機材などは不要で、一般的なノートPCやスマートフォンだけで音楽を生成できます。2025年5月にリリースされたバージョン4.5では、最長8分の高音質トラックの出力が可能になりました。また生成時間も短縮され、30秒ほどで曲が出来上がります。
Suno AIの特徴
AIが作詞・作曲を行い楽曲を自動生成してくれる
音楽の知識がなくても、ゼロから楽曲を制作できます。作詞・作曲の両方に対応しており、片方のみの生成も可能です。対応ジャンルは多岐にわたり、テキストでイメージを伝えるだけで、多様な楽曲を生成できます。
BGM・メロディともに生成可能
Suno独自のBark(歌声合成)とChirp(伴奏生成)モデルが、ボーカルとBGMをそれぞれ生成・構成し、自動でミックスしてくれます。
他の人が作成した世界中の楽曲を探しアレンジできる

世界中の人が生成した楽曲検索できます。また新たに追加された「Remix」という機能ではさらにその楽曲を「アレンジ」することも可能です。アレンジ可能な楽曲には「Remix」メニューが表示されます。
マルチモーダル入力
Suno AIは既存の楽曲から新たに楽曲を生成することも可能です。参考となる楽曲のURLや実際のレコーディング音声をアップロードすることで楽曲生成が可能です。さらにスマホ版アプリでは画像をもとに、イメージに合った30秒程度の楽曲を生成することも可能です。
アップデートの速さ
月単位で機能改善が進められており、バージョン4から4.5へのアップデートでは、楽曲の長尺化・高音質化・ボーカルの強化などが実施されました。
Suno AIの料金 / 商用利用
有料プラン(Pro以上)では、生成した楽曲の販売や動画への使用が認められています。無料プランは「個人利用限定」のため、社内資料やクライアント案件で使用する場合は、必ず有料プランへアップグレードしてください。
Suno AIのプラン
2025年6月時点で、Sunoには3つのプランが用意されています。
無料プラン(Basic Plan)
バージョンは3.5となります。1日に最大10曲の生成が可能で、出力形式はMP3のみです。商用利用はできず、使用時にはクレジット表記が必須です。
有料プラン(Pro Plan)
Pro Plan以降は有料で、最新バージョンの4.5を使用できます。月に最大500曲の生成が可能で、MP3および高音質のWAV形式に対応しています。商用利用が可能で、クレジット表記は任意です(Sunoの規約に記載なし)。月額8ドルで最新モデルのバージョン4.5が利用でき、ステムやパラデータといった書き出しにも対応。ボーカルトラックのみやドラムトラックのみの抽出も可能です。
有料プラン(Premier Plan)
月に最大2000曲の生成が可能で、Proプランの機能に加え、チーム機能やAPIによる利用が可能になります。料金は月額24ドルです。
※クレジット数等はアップデートにより変更される可能性があります。最新の条件は公式サイトをご確認ください。
Sunoの使い方
アカウントの作成方法
Suno(https://suno.com/)にアクセスし、左上の「Sign in」をクリックします。Apple、Google、Discord、Facebook、MicrosoftのいずれかのIDでログインできます。また、電話番号でもアカウントの作成が可能です。


プロンプトだけで0から作詞・作曲する
左側のメニューから「Create」ボタンをクリックして、新規プロジェクトを作成します。

プロンプトを入力します。Sunoは英語のみに対応しているため、日本語で作成したテキストは他の生成AIなどで英語に変換してから使用しましょう。(※筆者が試したところ2025年6月執筆時点で、日本語入力のプロンプトにも対応しているようですが、出力の精度を高めるうえでは英語の方がよさそうです)

今回のプロンプト
・Up-tempo city-pop, 110 BPM, bright synths & funky guitar, summer vibe, Japanese female vocals
・アップテンポなシティポップ、110 BPM、明るいシンセとファンキーなギター、夏の雰囲気、日本語の女性ボーカル
「Create」を押すと約30〜45秒で2パターンの楽曲が生成されるため、好みの方を選んでダウンロードしてください。
楽曲生成時に、歌詞付きかインストゥルメンタル(歌詞なし)かを選択できます。
歌詞付きの場合
そのまま生成すると、Sunoが自動的に歌詞も作成してくれます。


インストゥルメンタルにする場合
プロンプトの末尾に「instrumental, no vocals」と入力するか、生成後に「Make a cover」→「Instrumental」を選択してください。


手持ちの歌詞に“曲だけ”付ける
Sunoは漢字かな混じりの日本語にも対応していますが、母音の発音を明確にしたい場合はローマ字を併記すると安定します。最初は日本語版で生成し、発音が気になる部分のみローマ字に置き換える方法も有効です。
下記は今回のサンプルです。[Verse] / [Pre-Chorus] / [Chorus]といったタグは、Sunoが楽曲構成を理解しやすくするための情報なので、そのまま使用します。ちなみに「Chorus」が日本語で言うサビで「Verse」がAメロ、「Pre-Chorus」がBメロです。
・今回の歌詞
日本語版(漢字かな混じり)
[Verse 1]
静かな夜明けに 息をひそめて
街のざわめきが 遠くほどける
[Pre-Chorus]
まだ見ぬ光 追いかけて
僕らの鼓動 重ねていく
[Chorus]
走れ 走れ 未来へ
この手の温度 信じて
走れ 走れ 果てまで
夢が呼ぶ方へ
ローマ字併記版(発音重視)
[Verse 1]
Shizukana yoake ni iki wo hisomete
Machi no zawameki ga tooku hodokeru
[Pre-Chorus]
Mada minu hikari oikakete
Bokura no kodou kasanete iku
[Chorus]
Hashire hashire mirai e
Kono te no ondo shinjite
Hashire hashire hate made
Yume ga yobu hou e
「Create」→「Lyrics」タブを開き、用意した歌詞を貼り付けてください。[Verse] / [Chorus]などのタグでAメロやサビを区切ることが可能です。
曲のプロンプト
・Mid-tempo J-rock ballad, 84 BPM, male vocal, emotional strings
・ミドルテンポのJロック・バラード、84 BPM、男性ボーカル、エモーショナルなストリングス
「Styles」の欄にプロンプトを入力し、「Create」を押します。

生成された2パターンを試聴し、気に入ったものをダウンロードできます。イメージと異なる場合は再生成も可能で、歌詞は日英混在にも対応しています。

Suno AIで作詞・作曲をするコツ
プロンプトを具体化する
「lo-fi hip-hop × 90 BPM × male vocal × Japanese lyrics」のように、ジャンル・テンポ・ボーカルタイプ・言語を明確に指定することで、よりイメージに近い楽曲を生成できます。BPM(テンポ)やボーカルの性別などは、専門知識がなくても直感的に設定可能です。
参考曲のURLを添付
公式プレイリストや外部リンクを追加すると、構成(Aメロ・サビなど)が近い楽曲を出力しやすくなります。
歌詞は別AIで生成
ChatGPTなどで16小節・韻を整えた歌詞を用意し、それをSunoに読み込ませることで、楽曲の完成度を高めることができます。Suno自身の作詞能力も高いですが、語彙が豊富な他のAIを併用することで、さらに高品質な歌詞が得られる傾向があります。
ステム書き出し+DAW取り込み
Pro以上のプランでは、ボーカルやドラムなど各パートのステム(パラデータ)の抽出が可能です。音楽制作を行っている方は、DAW(Digital Audio Workstation)に取り込んで、イコライザーやコンプレッサーなどでの微調整も行えます。
著作権チェック
有料プランでは商用利用が可能ですが、たとえばサブスクリプションサービスでの公開時には、Spotifyの自動識別機能やYouTubeのContent IDで類似フレーズが検出されないか確認しておくと安心です。
スマートフォンアプリのSuno
iOS / Android向けの公式アプリでは、スマートフォンで撮影した画像から約30秒のBGMを自動生成し、そのままSNSにシェアできます。アプリ内課金により、ProやPremierプランへのアップグレードも可能です。
アプリで画像から楽曲生成
アプリをダウンロード後、画面中央下部のボタンから画像をアップロードします。

プロンプト入力画面に進むので、英語で内容を入力してください。

数十秒で歌詞付きの楽曲が生成されます。

まとめ:Suno AIは作詞・作曲が誰でも手軽にできる
Suno AIを使えば、一行のテキストや写真から歌詞付きの楽曲を誰でも手軽に生成できます。動画やポッドキャスト用の音源を外注する必要がなくなり、制作の手間やコストを大幅に削減できるのが魅力です。商用利用にはPro以上のプランが必要ですが、ライセンス込みで安心して配信・販売に活用できます。最新版のバージョン4.5では、最長8分の高音質ファイルを出力でき、プレゼン動画や店内BGMなど長尺コンテンツにも対応可能です。
まずは無料プランで操作感を試し、より多くの楽曲を生成や、微調整を行いたい場合は有料プランを検討してみましょう。ただし、生成AIの特性上「他の楽曲との類似」については注意が必要です。著作権チェックの章で解説したような手法も活用して、類似度をチェックしておくことをおすすめします。